2006年9月5日

ドイツの新聞は私にとって、知識の宝庫、世界への窓です。なぜ日本の新聞を読んでも、こういう経験ができないのでしょうか。新聞の一面を全部使った、歴史上の事件に関する評論を読めるのは、ドイツなどヨーロッパかアメリカの高級紙だけです。確かにヨーロッパの新聞には、日本に比べると主観的な評論風の記事が多いですが、事件の背景や文脈を理解するには、ヨーロッパの新聞に軍配を上げたくなります。

たとえば、今日のドイツのある新聞の経済面に、1986年と、2006年の株式時価総額トップ10社のランキングが掲載されていました。このリストを見ると、この20年間で日本企業がいかに世界経済の表舞台から退却し、かわって米国や英国の銀行、石油企業、そして中国企業が台頭してきたことがはっきりわかります。

1986年の株式時価総額トップはIBMでしたが、2006年にはエクソン・モービル石油です。(2006年にはIBMはトップ10社の中にすら現れていません)

1986年には上位10社中、4社が日本企業でしたが、今年は日本企業は一社もなく、かわりに中国の石油会社が10位に食い込んでいます。

世界経済の栄枯盛衰の歴史が、この表に凝縮されていました。こういった、歴史と経済の変化について、考えさせるデータが載っている、ドイツの新聞が私は好きです。こういった新聞を毎日300円前後の値段で読めるというのは、私にとって非常に贅沢なことです。